「良い家」の条件とは?

住宅購入を考える人が共通して考えることが「良い家」を手に入れたいと言うことです。しかし「良い家」は人によってその定義が異なります。

そこで今回のコラムでは埼玉県加須市で『ウィズママ』ブランドの注文住宅を展開するオザワハウスの社長が「良い家」についての一つの基準についてご説明します。

住宅品質確保促進法(品確法)

1990年代後半には欠陥住宅が社会問題化しました。その対策として2000年に施行されたのが住宅品質確保促進法(品確法)です。つまり国が「良質な住宅を安心して取得する」目的で定めたのが品確法ということになるわけです。

そして品確法は主に次の3つの制度から成り立っています。

1.新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例

新築住宅の契約において基本構造部分(柱や梁などの構造上の主要部分や雨水の侵入を防止する部分)において、最低10年間の瑕疵担保責任を義務付けています。

請求できるよう内容としては「補修請求」「賠償請求」「解除※売買契約の場合で修繕不能な場合に限る」になります。

2.住宅性能表示制度

住宅の品質の確保を図るために、住宅の性能の表示基準を設定することを通じて客観的に性能を評価できる第三者機関も設置しています。

なお登録住宅性能評価機関により交付された住宅性能評価書を添付して交わした契約は、その記載内容が契約内容とみなされます。その項目は10分野34事項に及びます。

数万円~数十万円の費用が掛かりますが、地震保険の割引や住宅ローン利用の際に検査の省略や優遇を受けられるなどの直接的な金銭的メリットも用意されています。

評価の対象となる10分野

1地震などに対する強さ(構造の安定)地震が起きたときの損傷や倒壊のしにくさを評価する。等級が高いほどしっかり対策できていることを意味する。
2火災に対する安全性(火災時の安全)火災が起きたときに安全に避難できるような配慮や、燃え広がりにくい対策などを評価する。
3柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)構造で重要な部分にあたる土台や柱に対して、できるだけ腐らない・傷まないような対策が講じられているのかを評価する。
4配管の清掃や補修のしやすさや更新対策(維持管理・更新への配慮)水道やガスや排水などの排管の点検や清掃のしやすさや、故障した際の補修のしやすさなどを評価する。なお等級が高いほど配管の点検や清掃や補修がしやすいということを意味する。
5断熱・省エネルギー対策(温熱環境・エネルギー消費量)冷暖房を効率よく行うためにどの程度の断熱性能を有しているのかをメインに、各種設備や創エネルギ―(太陽光発電など)を総合的に評価する。
6シックハウス対策・換気(空気環境)シックハウスの原因の一つとされている接着剤を使用している建材などの使用状況や換気設備などを評価する。
7窓の方位や面積(光・視環境)光や風を取り入れる窓がどの程度、確保されているのかを評価する。
8遮音対策(音環境)※主に共同住宅の場合の評価項目。
9高齢者や障がい者への配慮出入り口の段差や階段の勾配などに対してどの程度の配慮がされているかを評価する。
10防犯対策ドアや窓などの開口部において、防犯上有効な処置が講じられているのかを評価する。

ちなみに新築住宅の場合の住宅性能評価書は2種類あります。

2-1.設計住宅性能評価書

約束した性能通りの設計がされているかを図面などをもとに評価したもの

2-2.建設住宅性能評価書

設計図などの図面通りに施工されているかを現場検査などで確認して評価したもの

2-3.注意点

下記の3に該当するのですが、万が一トラブルが生じたときに住宅紛争処理支援センターで紛争処理を受けるためには、上記の「設計住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」の両方が必要になります。

3.住宅専門の紛争処理体制

住宅性能評価を交付された住宅に関わるトラブルに対しては様々な機関と連携して紛争処理の円滑化や迅速な解決を図る体制を構築しています。

「良い家」の一つの基準

上記の「2.住宅性能表示制度」でお伝えしたような外部の客観的な仕組みをつかうのも一つの判断基準になります。ほかにも省エネや断熱に優れた住宅を評価する「ZEH」や、建物の省エネ性能を証明する「BELS」など様々な制度が運用されています。

安心安全や様々な優遇を受けるためにも利用したいところではありますが、もちろん金銭的な負担も生じるので何でもかんでも採用すればよいというわけではありません。

そして客観的な評価や判断基準も大切ですが、そのまえに自分たち家族が何を優先するのか?という主観的な優先順位を明確にすることが、自分たちにとっての「良い家」の大事な基準になるはずなのです。

「そうは言っても何を優先すればよいのか分からない……」という人もいると思います。

その場合はぜひお気軽にお問い合わせください。しっかりお話を伺いながら「ご家族にとっての良い家」と「客観的な基準をもとにした良い家」の両方の側面から、最適な家づくりや制度の利用をアドバイスさせていただきます。